
社会課題と事業成長を両取りする、ヘラルボニーという“運動体”—— Co-CEO 松田崇弥・文登
きれいごとを語るのではなく、それを現実にするために存在している。いちばんのリスクは、当たり障りのない言葉が並べられて、世にも広がらず誰も見向きをしないこと。
世界最大級のクリエイティビティの祭典、カンヌライオンズ。
2025年6月、約1,500名が集まるそのステージ上で、一人の作家がライブドローイングをおこなった。小林覚——岩手県花巻市のるんびにい美術館に在籍し、重度の知的障害がある。さまざまな数字や文字をつないでひとつの絵が描かれる様子を、観客たちは静かに見守っていた。
起用したのは、同じく岩手県に本社を置くクリエイティブカンパニー・ヘラルボニーだ。
障害のある作家によるアート作品をIP化し、クリエイティブに展開する同社は、さまざまな企業とのコラボレーションや自社プロダクトでIPを展開し、アートの魅力を発信。作家へロイヤリティを還元し、障害のイメージ変容と新たな文化醸成を描く。
その取り組みはカンヌライオンズにおいて、社会変革をもたらすクリエイティブに称号を与える「Glass: The Lion for Change」部門でゴールドを受賞。GoogleやApple、Nikeといった錚々たるグローバル企業を抑えての評価だった。
活動は、プロダクトやライセンスビジネスに留まらない。Corneliusとコラボし、知的障害のある作家たちによる生活音をサンプリングした楽曲『Glow Within』の制作、世界中から作品を募る国際アートアワード「HERALBONY Art Prize」の主催、価格を据え置きながら、契約作家への還元報酬が通常の2倍となる「“値下げしない”ブラックフライデー」、岩手・盛岡に誕生したさまざまな文化とクロスオーバーする“未来の公園”「ISAI PARK」……。ビジネスにとどまらず、アクティビストのように社会に対し価値観を問い直すような活動も目立つ。
同社はどこへ向かおうとしているのか。創業者であり共同代表である松田崇弥、松田文登の両名の言葉から、ヘラルボニーの思いと強みの源泉を探った。
異例のスピードで成し遂げた海外進出
ヘラルボニーを知る上で、創業理由を避けては通れない。
今となっては広く知られた「ヘラルボニー」という名前。もとは松田文登、崇弥の4歳上の兄である翔太が、小学生の頃に繰り返し記していた“謎”の言葉だ。翔太は重度の知的障害を伴う自閉症であり、文登、崇弥は幼少期から兄に向けられる世間の冷やかな視線に傷つき、憤り、葛藤してきた。
「検索にまったく引っかからない」その言葉を社名とし、「意味のない」「わからない」言葉を「意味のある」言葉へと転換する。兄への視線を変え、障害に対する固定観念を変え、社会を変えることが、創業時の想いであり、目的であり、存在意義なのだ。
そんなごく私的で切実な願いからスタートした同社は、「異彩を、放て。」をミッションに掲げ、現在では300名近くの契約作家数から、2000点を超えるアートワークのIP管理を任されている。
そして、JALや丸井グループとの業務提携、JR東日本、東京建物、トヨタ自動車、Googleなどさまざまな企業との共創・コラボレーションを通して事業を拡大。全国各地でポップアップストアを展開し、2025年には岩手・盛岡に旗艦店舗、東京・銀座に常設店舗もオープンした。
さらには知的障害のある作家のアートを活用した体験型プログラムを通じて、「ちがい」を力に変える組織づくりを支援する法人向けDE&I研修「HERALBONY ACADEMY」もスタート。海外展開も進めるなど、近年は飛ぶ鳥を落とす勢いで拡大の一途を辿っている。メディアやリリースを見ても、話題に事欠くことはないほど注目を集めている。
加速度的な進化を遂げてきた同社。これほどの急拡大や多様なステークホルダーとの協業を重ねていれば、スタートアップよろしく、ある程度“丸く”なったり、“らしさ”が薄れたりしているのではないか。取材に際して編集部はそんなことを考えていた。
しかし調べれば調べるほど、同社が一貫して創業の思いと「異彩を、放て。」というミッションに立脚し、ブレずに進化を続けているように見えてくる。アクティビズムのような活動はその最たるもので、年々その練度も高まっている。それほどの一貫性を保つには、相当な意志が必要だ。共同代表の文登、崇弥にこの話をすると、「そう思ってもらえるのはありがたい」と、声を揃える。
ただ、あくまで現状に満足するそぶりもない。
文登 「思想や価値観、訴えているメッセージには、強固なものを作れているのではないかという自負はあります。ただ、クリエイティブや世界観に関しては、まだまだ課題を感じています。私たちの打ち出したい世界観とクライアントの世界観、想いをすり合わせていかなければなりませんし、まだまだムラがあるところもある。もっと研ぎ澄ませていかなければならないと考えています」
崇弥 「今朝もちょうど(Chief Art Officerの)黒澤浩美さんから『クリエイティブに一貫性が足りない』と指摘されたところです。日々の意思決定についても、『もう少しこうすればよかった』とか『登るルートを間違えたな』みたいな反省も少なくありません。でも、ヘラルボニーが大切にしている価値観……目指すべきところがブレそうになったことはないですね」
左:松田崇弥 |小山薫堂氏が率いる企画会社オレンジ・アンド・パートナーズ、プランナーを経て独立。ヘラルボニーのクリエイティブ統括。東京都在住。双子の弟。
右:松田文登 |ゼネコンにて、被災地の再建に従事、その後、双子の松田崇弥と共にへラルボニーを設立。ヘラルボニーの国内事業、主に岩手での事業を統括。岩手在住。双子の兄。
この”ブレなさ”は原体験による部分、そして共同代表が双子という希有な構造にも起因しているようだ。
文登、崇弥は双子の兄弟として生まれ、ともにヘラルボニーを創業した。取材の合間、崇弥が「え、俺の指輪着けてる!? 失くしたと思ってたんだけど!」と文登の手を指差し、「そう、気づかねえかなと思って」と文登が笑う。崇弥の着ていたジャケットを、文登も袖を通してみる。自ら“運命共同体”と称するように、その稀有な関係性、“以心伝心”で言葉を継ぐ様子は、決してマネのできるものではない。
2023年12月には代表取締役副社長COOを務めてきた文登が代表取締役Co-CEOに就任し、正式に崇弥と文登の共同代表制となった。普段は崇弥が東京、文登は岩手に拠点を置きながら、常にコミュニケーションを取り、経営に取り組んでいる。
文登「どんなに評価をいただいても、双子だから調子に乗りようがないんですよ。カレンダーに少しでも空きがあったら、『ここ暇してるじゃん!』とすぐ言われますから(笑)。ぶつかるときも遠慮はないし、でもお互いに言っていることの納得感もある。大きな意思決定のときは、わりとお互いに『やろう』とすぐに決まる感じですね」
忖度なしに激論を交わし、然るべきタイミングで意思決定できる……そんな双子ならではの“阿吽の呼吸”が、思想の純度、そしてスピード感にも現れる。最たる例と言えるのが、海外進出だ。
直接的なきっかけは、2023年に経産省による「J-Startup」に選定されたことだった。同年10月に海外派遣プログラムでフランス・パリにある世界最大級のスタートアップ集積施設「Station F」を訪れた崇弥は、体験入居のわずか約2週間でフランスでの展開に強い可能性を感じた。
崇弥「それまでグローバルなんて考えたこともなかったけど、初めてフランスに行って、たくさんの方々と商談して、『これは全然行けるな』って感覚があった。それで帰ってきてからすぐ、全社のSlackチャンネルで『これからフランスがとんでもないことになります!』とシェアしました。
私は“言霊”みたいなものがあると思っていて、Slackで全メンバーにどんどん発信していくんですよ。そして、喋っているうちに自分も『できた』つもりになって、次々とワクワクするようなイメージが広がっていくんです」
文登「そういう気持ちが伝播して、自然と私も、組織も動きはじめるんです。“ワクワクする未来”には、反対できないじゃないですか。だからいくつもの大事なプロジェクトが走っている中でも、みんながなんとかしようと尽力してくれる。その結果、圧倒的なスピード感を持ってフランス展開も動いていきました」
実際、フランス展開は翌年の2024年4月にLVMH Innovation Awardで日本企業として初のファイナリストに選出され、「Employee Experience, Diversity & Inclusion」賞を受賞。同年7月にフランスで海外子会社「HERALBONY EUROPE」を開設し、2025年10月にはANREALAGEとのコラボレーションで、パリコレのランウェイをヘラルボニーの契約作家によるアートワークが彩った。
わずか2週間の体験から生まれたワクワクが、2年後の成果までを導いた。
確かな熱量を広げる「自分ごと化」の構造
こうした、双子という特殊な関係性と、込められた想い、立ち上がる熱量やスピード感——ヘラルボニーを駆動する熱源は、唯一無二なのは間違いない。
だが、どんなに経営者が素晴らしくとも、メンバーがそれを受け止め切れなければ、生み出せる価値の総量は限られる。だが、メンバーにも取材を重ねていくと、ヘラルボニーはむしろその熱量が組織全体で何倍にも増幅されるような雰囲気さえある。
一人ひとりが目指す世界を「自分ごと」として受けとめ、自らの人生を賭けて尽力する──その一端は同社のnoteからも垣間見える。
「Essay:社員が綴る、切実な想いと裏話の数々。」というマガジンには、入社や産休など個人のきっかけ、あるいは会社としての新しい取り組みに際して、松田兄弟をはじめメンバーによる個人的な想いが綴られている。障害のある親族がいる。余命宣告を受けたがんサバイバー。海外暮らしが長く、日本で「当たり前」とされる価値観に違和感がある。外国にルーツがあり、差別を受けたことがある……。その体験談の多様さは、そのまま社会課題の多様さ、複雑さを表している。
文登 「採用のとき、私たちは『この人の自伝を読みたいか』『この人の人生の物語がワクワクするものか』といった視点で見ることが多いんです。スキルや実力はそれまでの選考で人事やメンバーがちゃんと見てくれているし、最終選考では履歴書や経歴はあまり気にしていません」
崇弥 「もちろん、事業への共感は前提にありながらも、一人ひとりが社会に対して、憤りや怒りのようなものを抱えている。この組織であれば、その熱量を何らかの形で発露できるはず、自分自身の人生のミッションと仕事を一体化できるんじゃないか、という感覚を持ってきてくださるんです」
メンバーそれぞれに願いがあり、ヘラルボニーでの仕事がそのまま自らの大願成就にもつながる。そうした“想いの構造”とも呼ぶべきものが、ヘラルボニーの熱量と推進力を押し広げる要素となっている。
徹底した「自分ごと化」は、組織文化にも表れる。クライアントや福祉施設、作家など社外とのやり取りの際、創業者のストーリーを前面に出すのではなく、メンバー一人ひとりが「自分」を主語に語ることを推奨しているという。
文登 「クライアントと向き合うメンバーには『僕らの話はしなくていい』と言っています。むしろ、自分がどんな人間で、どう思って仕事をしているのかを伝えてください、と。いうなれば自己開示です。仕事は仕事、プライベートはプライベートと分けるのではなく、自分が何を考え、どんなことを大切にしてきた人間かも含めて共有し、仕事をしてほしいんです。
実際、クライアントがnoteを読んでくれていて、商談のときに『すごく共感しました!』という話になることも多いんですよ。その人自身の想いが、仕事につながっているんです」
そうした「個人」と「個人」のつながり、人と人との信頼関係を築けているからこそ、さまざまなステークホルダーを巻き込んでも、最後のアウトプットにブレが生じないという側面もある。会社・個人・ステークホルダーが数珠つなぎの構造としてうまく接続されているのだ。
こうしたスタンスはブランドステートメント「Beyond Labels」という形で2025年9月に明文化もされた。境界や偏見、分断や常識といったさまざまなラベリングを超えて、一人ひとりの違いを可能性に変えようというメッセージだ。
メンバーの名刺の裏には「Beyond 〇〇」と、それぞれが超えたい壁やハードルを明記されている。属性や固定観念……実社会ではコンプレックスや弱みに感じることが、ヘラルボニーという組織の中では反転して強みとなり、確かな推進力となっているのだ。
確かな自己認識とバランス感覚
揺るぎない熱源と、それをつなぐ構造。
組織・事業を推進する確かな仕組みが実装されたヘラルボニー。
その確かな強みをもちながら、ブレのないアウトプットを続けるのには、もうひとつの理由がある。それは徹底した「自己認識」だ。
同社は日々さまざまな声やオファーが数多く届く。そうした声や相談とどう向き合うかを考える上で、自己認識は非常に重要になる。いまヘラルボニーはどう見られ、何をなすべきか——そうした客観性は、この事業領域においては不可欠だ。
文登 「私たちが大切にしているのは、社会との対話、調和です。ずっとエゴサーチしていて、ユーザーの声をこれまで一つも見落としていないくらいの自負はあります。
この企画に対して社会がどう反応するのか、それを通じてどんなことが変わったのか……一つひとつ見ていく中で、『今はまだ早いかな』と判断することも少なくありません。ありがたいことにオファーはたくさんいただきますが、その6〜7割はお断りしていると思います。
本当に身に余るほどのお話もあり、『実現したら大きな成長が!』と思う瞬間もありますが、グッと堪えていて……。まだ自分たちは“流行りもの”で、確固たるブランドを築けていない感覚があるので、丁寧にやっていかなきゃと思っています」
崇弥 「同じIPで例えるなら、ハローキティくらいのキャラクターになれば、どんな挑戦でも『ここと組むんだ!』と驚きを持って受けてもらえるじゃないですか。ハイブランドともコラボするし、100円ショップでも売っている。その振り幅が魅力です。アート界なら草間彌生さん、村上隆さんも…そうした確固たる魅力を持たれている。
我々はまだまだその足元にも及ばないですが、目指すはそうした世界観です。ヘラルボニーを確固たる強みを持ったグローバルなIPブランドに育て、10年、20年後にはもっと多様な世界観を提示し、作家の方々にも還元できるようにするのが目標です」
進化し続ける組織において、その自己認識を全社へ浸透させるアプローチとして、同社は行動指針を活用している。ヘラルボニーでは創業以来、2021年の初制定以来、約2年ごとにバリューをアップデートしてきたという。
崇弥 「絶対に『2年ごとに変えよう』と思っていたわけではないのですが、その時々で『もっとこういう空気を作りたいな』『こういう言葉が必要じゃないかな?』と日々感じるようになるんです。結果として、組織・事業フェーズに合わせてわりと頻繁に更新する形になっています」
現在は「ありたい姿」として「誠実謙虚」と、バリューとして「挑んでいるか?」「未来を作っているか?」「共に熱狂しているか?」の3つを掲げている。
海外での華々しい栄誉が続いているこのタイミングで、「誠実謙虚」を明文化しているのは、ある種絶妙なバランス感覚だと言えるだろう。
文登 「一般的なスタートアップだと、ビジネスの価値観に偏りがちです。一方の私たちはありがたいことに、ビジネスの最前線の方とも、福祉領域の最前線の方ともお話しすることが多い。ですからいつもその二つの領域を俯瞰して、今何をやるべきか、と、針の糸の通し方を考えている。そこから生まれたバランス感覚として、いまは勢いよく……ではなく、誠実に謙虚にやり続ける段階だと考えています」
そんなバランス感覚は、直近のソーシャルアクションにも現れている。2025年12月3日から1週間の「障害者週間」に合わせて発表された「抱えてきたことを、ここに置く。 」。障害のある当事者や家族、あるいはその周囲が抱えてきた思いを言葉にするプラットフォームだ。そこには、「異彩を、放て。」だけでは語れない、切実な想いや直面する課題、現実の重苦しさが浮かびあがる。
崇弥 「本当にダイレクトな言葉が届きました。日本語だけでなく、英語、フランス語……『娘に障害があるとわかって、娘と一緒に死のうと思った』とか、言いたくても言えなかった言葉がたくさんあって」
文登 「写真家で『ボーダレス・アートミュージアム NO-MA』館長の大西暢夫さんから言われたのですが、『今まで言いたくても言えなかったこと、本音をしまっておくべき社会だったのが、ヘラルボニーによってその声が可視化されている。ヘラルボニーはその声を『拡声器』として発信して、より良い社会を作るための装置だね』と。
事業としてはやはり、キラキラした側面が目立ってしまいがちですが、そうでない部分もしっかり可視化して、希望に変える。批判されることもあるかもしれませんが、それくらい世の中にインパクトをもたらせる強いブランドを作りたいですね」
ビジネスだけでも福祉だけでもなく──「異彩」の向こうへ
熱量、構造、自己認識、バランス……要素分解していけば決して珍しくはない要素が並ぶ。だが、それらを大局観と確かな想い、絶妙なバランス感覚のもとで動き続けているからこそ、現在のヘラルボニーが存在しているのではないだろうか。
それを裏付けるようなリリースが1月に出された。2026年1月7日に発表した「ヘラルボニー財団」の創設だ。
- 「兄が幸せな社会」を目指してーヘラルボニー財団を設立
- https://www.heralbony.jp/topics/5351
アートを描く作家だけではなく、既存事業だけではアプローチしきれない障害当事者やその家族、その支援者を取り巻く社会課題に対し、財団として実践を始めようとしている。創設文の一節には、こう記されている。「できる・できない。役に立つ・立たない。社会が無意識のうちに引いてきた、その線の外側にあるとされる命を、それでも、圧倒的に肯定したい」。ちなみに1月7日は、松田兄弟の兄・翔太の誕生日でもある。
財団には今後、崇弥、文登が保有するヘラルボニーの株式の一部を譲渡し、ふたりが将来的に経営から退いたときにも経営理念が守られるよう、ガバナンス機能を持たせることになる。ヘラルボニーが“100年企業”になるための布石だ。法人と財団の両軸で、社会を変える確かな原動力とする。
資本主義という枠組みの中で確かな実績をあげながら、社会変革を実装する。それを一般的にはソーシャルインパクトスタートアップというのだろうが、ふたりはそう呼ばれるのを望まない。
崇弥 「周りからそう呼ばれることはあっても、自分から『社会起業家』『ソーシャルインパクト』と名乗るつもりはなくて、やっぱりビジネスとしてしっかり結果を出すのは前提なんですよ」
文登 「ビジネスと社会課題解決と、二項対立にしてしまうとスタートアップをやっている意味がありません。やっぱり目標とする数字は絶対に達成したいし、ずっと挑戦し続けていたい」
崇弥 「ヘラルボニーは言わば、価値観を揺さぶる“運動体”なんですよ。きれいごとを語るのではなく、それを現実にするために存在している。いちばんのリスクは、当たり障りのない言葉が並べられて、世にも広がらず誰も見向きをしないこと。それなら批判されるほうがマシ。私たちはただ、兄が兄のままでいられることを肯定したい。それだけなんです」