研究知とアートが交差するイベント「DE-SILO EXPERIMENT 2024」にご招待します

2024年4月13日と14日の2日間、「研究“知”」とアートが交差するイベント「DE-SILO EXPERIMENT 2024」が表参道のWALL&WALL/OMOTESANDO MUSEUMにて開催される。

DE-SILO EXPERIMENT 2024
https://de-silo.xyz/experiment-2024
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人文・社会科学分野の4人の研究者が「いま私たちはどんな時代を生きているのか」を考えるための研究テーマを設定し、そのテーマに基づきコラボレーターとなる計11組のアーティストが作品を制作。展示、パフォーマンス、トークセッション、ワークショップの4つのコンテンツを通じて、研究とアートの融合が展開される。

designingは本イベントのメディアパートナーを務める。記事末尾には読者限定の招待チケットの案内も付記したので是非ご覧いただきたい。

デザインやクリエイティブと、アカデミックな知の「交点」

デザイン人類学、スペキュラティブ・デザイン、クリティカル・デザイン──。

昨今、文化人類学や哲学といった人文学からインスパイアを受けるデザイナー、あるいは人文学的な視座のもと営まれるデザインに注目が集まりつつある。

desiginingでも、デザイン人類学を中心に、デザインやクリエイティブとアカデミックな知の交点を探ってきた。

すべてのデザイナーのかたわらに人類学者を――人類学者・中村寛【連載:デザインと人類学のフィールドノート】
https://designing.jp/design-anb-anthropology-1
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接近する「デザイン」と「人類学」。企業の「自己変容」はいかにしてもたらされるか?──メルペイ・松薗美帆×メッシュワーク・水上優
https://designing.jp/anybydesigning1-report
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研究者とアーティストの協働により生み出された作品展示やパフォーマンスが展開されるDE-SILO EXPERIMENT 2024も、そうした「交点」を探る試みの一つとして位置づけられるだろう。

DE-SILO EXPERIMENT 2024を企画・運営する一般社団法人デサイロは、「人文・社会科学分野の研究者を伴走支援し、社会との多様な接点をつくるアカデミックインキュベーター」を掲げる。

一般社団法人デサイロ
https://de-silo.xyz/
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2022年10月よりスタートした第一期の研究者伴走支援プログラムでは、人類学者の磯野真穂、哲学者の柳澤田実、社会学者の山田陽子、メディア研究者の和田夏実の4名の研究をサポートしており、その一つの結実が今回のイベントなのだという。

4名が研究を進めるにあたり、それぞれが設定した研究テーマが、「21世紀の理想の身体」「『私たち性 we-ness』の不在とその希求」「ポストヒューマン時代の感情資本 」「『生きているという実感』が灯る瞬間の探求」だ。これらの研究テーマに通底するのは、いま私たちの社会から抜け落ちつつある「生の実感とリアリティ」を考え直すこと。

DE-SILO EXPERIMENT 2024では、この4名が研究の過程で見つけた兆しや研究成果を、アーティストとのコラボレーションを通して社会に届けることを目指す。4つの研究への研究への“応答者”として本イベントに集ったのは、小説から音楽、映像、メディアアートまで、ジャンルも表現媒体も多様な11組のアーティストだ。

メディアアーティスト、アーティストコレクティブらと研究者の協働

以下、そのプログラムの一部を紹介する。(全プログラムの詳細は公式サイトに掲載)

・交差する「研究」と「メディアアート」|山田陽子 × 木原 共
新たな問いを人々から引き出す「遊び」をテーマに、実験的なゲームやインスタレーションを開発してきたメディアアーティストの木原共が、「感情資本」をテーマに作品を制作し、展示とパフォーマンスを実施。

山田 陽子|社会学者。大阪大学大学院人間科学研究科准教授。博士(学術)。単著に『働く人のための感情資本論―パワハラメンタルヘルスライフハックの社会学』(青土社,2019年)、『「心」をめぐる知のグローバル化と自律的個人像―「心」の聖化とマネジメント』(学文社,2007年)、編著に『社会学の基本-デュルケームの論点』(学文社,2021年)など。社会学史学会奨励賞受賞(2007年)。社会学理論や学説を丹念に読み込みながら、フィールドワークやインタビュー調査を通して人々の生の声を聴き、近代資本主義社会と感情、自殺について研究している。

木原 共|メディアアーティスト、ゲーム開発者。新たな問いを人々から引き出す遊びをテーマに、実験的なゲームやインスタレーションの開発を行う。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、オランダのデルフト工科大学院のインタラクションデザイン科を修了。その後、アムステルダムに拠点を置く研究機関Waag Futurelabや米国のMozilla FoundationとAIの社会的影響に焦点を当てたプロジェクトを行う。近年の作品はアルスエレクトロニカ STARTS PRIZE(リンツ、2021年)にノミネートされたり、Victoria & Albert Museum(ロンドン、2022年)で展示された。

・交差する「研究」と「アート」|和田夏実 × Keiken
フィジカルとデジタルが融合する作品を手がけてきたアーティストコレクティブKeikenが、「生きているという実感」を解釈し、体験型インスタレーションを制作。

和田 夏実|メディア研究者。インタープリター。ろう者の両親のもとで手話を第一言語として育ち、視覚身体言語の研究、感覚がもつメディアの可能性について模索している。LOUD AIRと共同で感覚を探るカードゲーム《Qualia》や、たばたはやと+magnetとして触手話をもとにした繋がるゲーム《LINKAGE》など。ミラノ工科大学研究員。手話通訳士取得。《an image of…》《visual creole》 "traNslatioNs - Understanding Misunderstanding", 21_21 DESIGN SIGHT, 2020

Keiken|アーティストコレクティブ。2015年設立のアーティストコレクティブ。メキシコ、日本、ヨーロッパ、ユダヤなど様々なディアスポラ的背景を持つターニャ・クルス、ハナ・オーモリ、イザベル・ラモスの3人で活動。グループ名は「経験」を由来とし、活動のあらゆる面で意識の本質と未来の探求をする。第1回 Chanel Next Prizeを受賞。最近の主な展覧会は、ヘルシンキ ビエンナーレ(フロリダ)、HAU ヘッベル アム ウーファー、ベルリン(ドイツ)(2023)、CO ベルリン(ドイツ)。現在、世界構築プロジェクト「Morphogenic Angels」を進行中。

■研究者一覧
・磯野真穂(人類学者)
・柳澤田実(哲学者)
・山田陽子(社会学者)
・和田夏実(メディア研究者)

■アーティスト一覧(アルファベット順)
・松田青子(小説家、翻訳家)
・んoon(アーティスト)
・Keiken(アーティストコレクティブ)
・李琴峰(小説家、翻訳家)
・マイカ・ルブテ(シンガーソングライター、プロデューサー、DJ)
・山内マリコ(小説家)
・Pennacky(映像作家)
・山内祥太(アーティスト)
・Skaai(アーティスト)
・木原共(メディアアーティスト、ゲーム開発者)
・荘子it(トラックメーカー、ラッパー)

人文・社会科学の研究知に対して、多種多様な作家・アーティストたちが応答することで、いかなる化学反応が生み出されるのか。研究“知”にインスパイアされたクリエイティブの実像を、ぜひ現地で目にしてほしい。

【読者限定】招待チケットのご案内

「研究」と「アート」が交差する2DAYSイベント「DE-SILO EXPERIMENT 2024」のメディアパートナーであるdesigning読者限定で、抽選で10名の方に無料招待チケットをプレゼントします(DAY1,2:各5名)。御希望の方は下記フォームよりお申込下さい。

【DE-SILO EXPERIMENT 2024】designing読者限定イベント招待 抽選受付フォーム
https://forms.gle/5rU2Ph1DDrijFNN78
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